長崎南ロータリークラブ

2015~2016年度国際ロータリーのテーマBe a gift to the world(世界へのプレゼントになろう)に因み、Giftの前にロータリアンが受けているプレゼントは何かを考えてみます。
クラブには、先輩達が残した冊子があります。今年度はまずそのプレゼントをひも解いてみます。
福井 順さんの書かれた冊子「ロータリーからのプレゼント」をはじめとして、山田 遼さんの「保利春寿のほんねとたてまえのロータリー」をシリーズで掲載します。20年位前の発刊ですので、現在と違うこともありますが、真髄は不変です。

書籍
  • 「ロータリーからのプレゼント」

    福井 順 著書

  • 「保利春寿のほんねとたてまえのロータリー」

    山田 遼 著書

vol.5保利春寿氏のほんねとたてまえのロータリー  山田 遼

クラブの冊子「ロータリーの道しるべ」よりクラブの先輩故山田遼さんの「保利春寿氏のほんねとたてまえのロータリー」を掲載します。

あとがきを引用すると
ポール・ハリスがもし日本に帰化したら、きっと「保利春寿」という日本名を付けたに違いない。その彼にロータリーを批判させてみたら、こんな発想をしてみた。富士登山道は吉田口を表道とし、御殿場口を裏道とする。今回は御殿場口から登ってみようと思った。つまりロータリーを裏から眺めてみようというのである。~中略~
所詮、富士山は富士山であった。表口から登っても、裏口から登っても。山頂の眺望は全く同じであった。しかし裏道のどこかに、ロータリーを見直す一草なりとも見付けていただいたら幸いと思う。

ニコニコ箱にはいくら入れたらよいか

多く入れたら損をするような気がするし、さりとて少なかったら恥をかく。一体、どの位入れたらよいか。新入会員のみならず、ベテラン会員といえども気になるところである。

ロータリーソングについては、1907年ハリー・ダグラスによって始められたという記録が残っているが、ニコニコ箱については、いつ、誰によって始められたのかはっきりしない。多分ロータリーソングと同じころではないかと思う。

創立草々のシカゴクラブでは、会員相互扶助の具体的実践手段として、会員相互間の取引を義務づけていた。例えば、会員が石炭が欲しい時には石炭商のシルヴェスター・シールから買い、洋服を仕立てたい時にはテイラーのハイラム・ショリーから作る。印刷したい時には印刷屋のハリー・ラグルスに依頼する。法律問題が起こったらポール・ハリスの助言を受ける。しかも、原価で取引する事が原則であった。

会員相互間の具体的取引の記録を取り、これを例会の席上で報告する役職をスタティスティシアンと呼んでいた。

おそらくこの頃、相互取引で恩恵を蒙った会員が、当時、シカゴクラブ内に抬頭してきた新たな奉仕の考え、つまり、社会奉仕の基金の一端として拠金したのが始まりではないかと思う。

因みに、日本におけるニコニコ箱の起源は、昭和11年8月4日東京開催の地区協議会において、大阪RCの藤原九十郎氏が従来の罰金箱を改めて、社会奉仕活動の資金として「ニコニコ箱」の創設を提案し、大阪RCが率先これを実行したことを以って嚆矢とする。(ロータリーの友1984年10月号30頁)

スタティスティシアンは、1912年、ロータリークラブが物質的相互扶助より精神的相互扶助へと大転換されると共に廃止される。

ライオンズクラブにもニコニコ箱に似た制度がある。ドレイションと呼ぶ制度がそれであるが、その考え方はロータリークラブとは根本的に違う。

ライオンズクラブの奉仕哲学を要約すると。「資本主義経済下での企業活動は戦いである。戦いに勝つためには倫理は不要だ。損失は悪であるから、あらゆる手段を講じてでも利益を獲得しなさい。それが善である。だがその金は悪銭でもあるから、例会に出席してクラブに差し出しなさい。その金を集めて社会奉仕をすることが、とりも直さず贖罪となる」というのである。従ってライオンズクラブの奉仕活動は団体的、金銭的、対外的であって、その社会奉仕の寄付額は、ロータリークラブのそれとは比較にならぬ程大きい。

そのためにはドネイション、つまり寄付行為がある程度おしつけがましくなるのも止むを得まい。ライオンズクラブの奉仕哲学からすれば、例会に出席することとは金を出すこと、と同意語だからである。

その仕事を司る役職をティル・ツィスターと云うが、尻尾をからみつかせて離さない、とは正に当を得たネーミングではあるまいか。

ニコニコ箱は、これとは全く対照的である。

※注釈 ライオンズクラブは、設立当初上記のような考えがあったが、現状においては、職業奉仕を含む社会奉仕の理念の下多くの輝かしい活動をされています。

ロータリークラブの奉仕哲学は個人的、精神的、対内的であるので、飽く迄も会員個人の善意に依存しているのがニコニコ箱であって、決して強要すべき性格のものではない。
人間誰しも嬉しいこと、楽しいことを自分一人の胸にしまって置くのは惜しくて、つい人に言いたくなるのが人情である。その気持ちをニコニコ箱に表現して貰う。これがニコニコ箱の本来的姿であるから、余り金額に拘泥する必要はないと思う。

あなたの善意を表現するのに最もふさわしい金額、つまりあなたの喜びの度合が物差しであって、云い換えれば、あなたの心が満足できる金額、と云ってもよい。

勿論、クラブ会計の立場から云えば、多いに越したことはないのであるが、さりとて無理強いがあってはならない。ニコニコ箱の収入は、その性格上特別会計に計上することが望ましいが、クラブに実情によっては一般会計に入れても差し支えない、ということになっている。

ニコニコ箱は例会運営の要である。例会を楽しくさせるという大きな使命を担っているので、その委員長は例会運営の花形役者と云えよう。

数多くのニコニコ袋が、委員長の巧みなユーモアとウィットによって次ぎ次に披露されれば、例会場には笑いが渦巻き、例会は益々盛り上がり、それはまた、次回例会のニコニコ箱の誘引ともなるのである。

例会を楽しくする決手がニコニコ箱にあることを理解すれば、その金額、頻度も自ら決まってくるのではなかろうか。

にこにこで 今日も協力 楽しい例会!
喜びを ニコニコ箱で 分ち合い!

メニュー

新着情報

会員アクセス

- Nagasaki South Rotary Club -
【長崎南ロータリー事務局】
〒850-0862
長崎市出島町12-29 夢進ビル2階 【MAP】
TEL:095-821-1041
FAX:095-826-4756
MAIL:info@minamiro.jp