2015~2016年度国際ロータリーのテーマBe a gift to the world(世界へのプレゼントになろう)に因み、Giftの前にロータリアンが受けているプレゼントは何かを考えてみます。
クラブには、先輩達が残した冊子があります。今年度はまずそのプレゼントをひも解いてみます。
福井 順さんの書かれた冊子「ロータリーからのプレゼント」をはじめとして、山田 遼さんの「保利春寿のほんねとたてまえのロータリー」をシリーズで掲載します。20年位前の発刊ですので、現在と違うこともありますが、真髄は不変です。

- 「ロータリーからのプレゼント」
福井 順 著書
- 「保利春寿のほんねとたてまえのロータリー」
山田 遼 著書
保利春寿氏のほんねとたてまえのロータリー 山田 遼
クラブの冊子「ロータリーの道しるべ」よりクラブの先輩故山田遼さんの「保利春寿氏のほんねとたてまえのロータリー」を掲載します。
あとがきを引用すると
ポール・ハリスがもし日本に帰化したら、きっと「保利春寿」という日本名を付けたに違いない。その彼にロータリーを批判させてみたら、こんな発想をしてみた。富士登山道は吉田口を表道とし、御殿場口を裏道とする。今回は御殿場口から登ってみようと思った。つまりロータリーを裏から眺めてみようというのである。~中略~
所詮、富士山は富士山であった。表口から登っても、裏口から登っても。山頂の眺望は全く同じであった。しかし裏道のどこかに、ロータリーを見直す一草なりとも見付けていただいたら幸いと思う。
四つのテストは守れない(2)
それから間もなくして、会社は印刷物を作るためある下請会社と契約を結びましたが、下請会社の社長は契約成立後に、入札の時の計算に150ドルのミスを発見したのです。
責任は自ら負うべきだと思いましたが、何か救済はないかと思い、テイラーに再考を求めたのです。テイラーの会社は破産寸前です。他人の会社のミスまでかばっていられる状態ではありませんでした。しかし、役員会は下請会社の誤算からくる窮状を放置することは「四つのテスト」の第二の公平(公正)かどうかに反するというので契約価値150ドル増額と決定しました。
この情報が伝わるや、下請会社ばかりでなく、全従業員は感激しました。会社は打って一丸となって動き出し、当初6000ドルの借入金で始まった会社が5年後には元利合計完済し、更に10年後には100万ドルの配当を株主に出す大会社となるようになりました。
こうして四つのテストは業界の評判となったのであるが、1939年テイラーがシカゴクラブの会長の時、たまたま商工会議所の経済講習会の席上で四つのテストが紹介され、その会に出席していたシカゴクラブの会員の知るところとなり、この話を例会に持ち込んだところ、クラブでは、これまでの長文の「ロータリー職業倫理訓」(1915サンフランシスコ大会決議)より簡単で便利ということで直ちに採択され、これが契機となってロータリーの世界に導入されたのである。
テイラーは1954年に国際ロータリーの会長に就任するが、彼は四つのテストの版権を国際ロータリーに移譲し、ターゲットの中にこれをかかげ、全世界のロータリアンに、これによって奉仕活動を行うよう唱導した。
こうして四つのテストは急速に、全世界のロータリアンに浸透して行ったのである。